「コンプリケーションウォッチ」と呼ばれる時計は、数百万円~1億円以上の値段がつけられています。
時計の真の価値、それはその中身によって決まります。値段に値する複雑な機構であり、それを開発・製作するには、熟練時計師の高度な技術が必要になってきます。
コンプリケーション(Complication)とは日本語で「複雑」という意味ですが、時計の世界の用語としては、「複雑機構」すなわち「非常に高度な技術が込められている時計」のことをさします。
今回はその高度な技術のうち、「4大コンプリケーション」と呼ばれる機能のひとつ、トゥールビヨンについてご紹介いたします。

トゥールビヨン

トゥールビヨン(LeTourbillon)とはフランス語で「渦巻き」を意味します。
懐中時計の時代、時計の精度を保つ上で重力は大きな壁でした。いつもポケットの中で、同じ向きで規則正しい動きをする時計に対して常に重力が働くため、ある向きで置かれると進み、違う向きで置かれると遅れる、という時計の精度の弊害となっていたのです。
その姿勢差や重力誤差を最小限に抑えるために生みだされた機構がこのトゥールビヨンです。

トゥールビヨンの機構はあまりに複雑で、生産に時間と手間がかかる分価値もも高くなり、700万円を下りません。トゥールビヨンで特に名の高いブランドは、ジラールペルゴ、ブランパン、ブレゲのいずれも超高級ブランドばかりです。
また、トゥールビヨンとミニッツリピーターの異なる2つの複雑機構を味わうことのできる、ブルガリのダニエル・ロート カリヨン・トゥールビヨンなんて卓越した時計もあります。

そしてこの機構を生み出した、アブラアン・ルイ・ブレゲ( 1747 – 1823)は、なんと!!万有引力が発見される前から重力によって時計の精度が落ちることを知っていたといわれています。そんな話を聞くと、価値が高い理由にも肯けるような気がしますね!

 

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