「コンプリケーションウォッチ」と呼ばれる時計は、数百万円~1億円以上の値段がつけられています。
時計の真の価値、それはその中身によって決まります。値段に値する複雑な機構であり、それを開発・製作するには、熟練時計師の高度な技術が必要になってきます。
コンプリケーション(Complication)とは日本語で「複雑」という意味ですが、時計の世界の用語としては、「複雑機構」すなわち「非常に高度な技術が込められている時計」のことをさします。
今回はその高度な技術のうち、「4大コンプリケーション」と呼ばれる機能のひとつ、スプリットセコンド・クロノグラフについてご紹介いたします。

スプリットセコンド・クロノグラフ

スプリットセコンド・クロノグラフは、通常の秒計測用クロノグラフ針と同軸に、ストップウォッチ用の針をもう1本持ち、中間タイム(スプリットタイム)の計測など複雑なタイム計測を行うことができます。日本では別名、「割剣」とも呼ばれていました。

ケースサイドには、通常の2つボタンに加えて、スプリット針用のボタンがあります。
スタート/ストップボタンを押すと2本の針が同時に動き、秒単位の計測が始まり、計測中にスプリット用ボタンを押すとスプリット針が止まります。
再度スプリット用ボタンを押すと、クロノグラフ針にスプリット針が瞬時に追いつくという仕組みです。

使い方

2つの移動体のタイム差を計測する場合、先行している移動体が計測地点を通過した時点でスプリットボタンを押します。そして後の移動体が計測地点を通過した時点でスタート/ストップボタンを押すとクロノグラフ針の運針も停止。この際スプリット針は先の移動体のタイムを示し、クロノグラフ針は後の移動体のタイムを示します。このようにして、ラップタイム計測や、競争する二者のタイムの差を計測することが可能です。
また単体のラップタイムも連続して計測でき、この場合、移動体が計測地点を通過した時にスプリットボタンを押せばスプリット針が止まり、これがラップタイムとなります。
そして再びスプリットボタンを押せば、停止していたスプリット針が動き続けているクロノグラフ針に追いつき、次の周回以降も同じように操作し、前周までとの記録することでトータルタイムと各周回のラップタイムがわかるというわけです。

このスプリット針をコントロールする機構の搭載は、通常のクロノグラフよりも開発、製造の難易度が高く、スプリットセコンド クロノグラフは、時計の複雑機構の中でも最も製作が難しい機構のひとつです。

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機械式時計の魅力 4大コンプリケーション、知れば知るほど奥が深く探求したくなるものですね。
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